茅ヶ崎の居酒屋Queの14周年記念のドイツスタイルの小麦ビール。13周年の際は"日常"という名のケルシュを作りました。あれから早いもので1年経ち再びビールを作ることに。今年はどんなビールにするか相談する中で、茅ヶ崎にも縁深い小津安二郎監督の映画に｢麦秋｣があり、そんな名前のビールにするのはどうか？というところから話が始まりました。麦秋とは麦穂が実り収穫期を迎えた初夏頃の季節。麦が熟し、麦にとっての収穫の｢秋｣であることから名づけられた季節。日常から遠く離れず初夏頃に飲みたい爽やかなビールをということもありドイツスタイルのWeisseにすることに。何か自分達らしさみたいなものも欲しく店主の好きな“ラオホ”スタイルも取り入れることに。パシフィック初挑戦のスタイル。せっかくなので伝統的製法を用いつつ新しい品種のホップも組み合わせてみたりしました。たっぷりと使った小麦からなるシルキーな飲み口に少しの酸味もあり、イメージするような重さは全くなく軽快な飲み口。Weisseらしいバナナやクローブのような香りもありますが、仄かに香る程度で苦味もほぼありません。アクセント程度に入れたスモークモルトからなる穏やかな甘みが下支えになり味わい深さも感じられる仕上がり。そして前回に引き続きラベルアートはUNO YOSHIHIKOさん！手描きの雰囲気を大事にする為あえて白黒の世界で表現。Unoさんらしいポップでありながら奥行きのある描写が最高。この1年、ハレの日もケの日もQueのタップにはパシフィックのビールが繋がれ、そこに集う人達の一日を彩っていたのかな。こうして変わらずまたこの季節が来たこと、地元にそんな場所があること、とても嬉しく誇りに思います。改めてQueの横山さん14周年おめでとうございます！